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ベトナムの有名な稲作地帯として知られるメコンデルタ地域はここ数年、気候変動の影響で海面の水位が上がり、塩害に悩まされています。そこで地域の農家は稲作の代わりに次々とエビ養殖業へと転向しています。

エビの養殖は、エビの輸出を2025年までに現在の倍以上の100億ドルにしたいという政府の方針とも合致しており、デルタ地域の農家は政府からの様々な支援を受けてエビの養殖に成功し、豊かな生活を送る者も現れています。

ベトナムは世界第3位のコメの輸出国ですが、エビの輸出による収入は2013年以降、コメの収入を上回り、急速に成長しています。業界アナリストは、国のエビ養殖場(主にデルタ地域)が毎年3〜5%増加するため、今後10年間でエビの輸出が毎年5〜10%増加すると予測しています。

また、ベトナム最大のシーフード輸出企業であるミンフー(Minh Phu)株式会社は、ベトナムを世界最大のエビ輸出国にするという野心的な目標を掲げています。 ミンフー株式会社は、近年締結された12以上の二国間および多国間貿易協定が、2045年までにベトナムのエビの輸出額を200億ドル、つまり世界の輸出の4分の1に押し上げると予想しています。

しかし、このエビ養殖業が盛んになっていくデルタ地域については、より一層の環境破壊を懸念する声もあります。気候変動によって引き起こされた海面の上昇は、上流に水力発電ダムを建設することによってさらに悪化し、淡水の流れをさらに減少させています。

また、スイスに本拠地を置くNGOである国際自然保護連合(IUCN)は、海岸侵食や高潮から保護する役割を担ってきたマングローブ林の半分以上が、エビの養殖地設置のために伐採されたと推定しています。

また、養殖の専門家は、飼料に使用される原材料から排水、廃棄物の管理方法に至るまで、エビ養殖場に対する環境対策の監視の欠如を強調しています。さらに、海面の上昇と塩害はますますひどくなることが予想され、デルタ地帯を壊滅させる可能性もあります。

デルタ地域は今、気候変動への対応、エビの輸出増による経済の活性化、人々の暮らしの保護などの課題が山積している状況と言えます。

[Tuoi Tre News 11:14  2021/05/06]

※ベトナム翻訳ニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。