インスタントラーメン

ベトナムの名物料理と聞いて、誰もが真っ先に想像するものといえばおそらく米粉を原料としたベトナム麺の代表格である「フォー」。

ベトナムの代表的な麺料理フォー

しかし、ベトナムの麺はフォーだけではありません。

ブンチャー、ミエン、ブンボーフエ、フーティウ、バンカン等々、他にも多数の麺料理が朝食や夜食に好んで食べられています。

つけ麺スタイルで肉団子が入ったブンチャー

世界ラーメン協会(World Instant Noodles Association)によると、2019年のベトナムのインスタントラーメンの消費量は54億3000万食で、世界5位となりました。(日本は56.3億食で4位。)同年の1人あたり消費量は約57食で、世界初の即席麺(安藤百福のチキンラーメン)を発明した日本を超え、世界平均水準の約4倍となっています。

同協会によてば、ベトナムの1番人気はトムチュアカイ味 (エビ風味に辛味と酸味が加わったもの)で、麺は歯ごたえのある食感のものが好まれることのと。調理したインスタントラーメンに、オニオンやレモン、唐辛子を加えて食べることもあります。

このベトナム麺市場に日本から進出している企業が、エースコック株式会社(大阪府吹田市)です。ベトナム現地法人であるエースコックベトナムはこのほど、英市場調査会社カンター・ワールドパネル(Kantar Worldpanel)から「2019年度ベトナムの消費者に選ばれる即席麺メーカー」として表彰され、2年連続の受賞となりました。

エースコックベトナム社の主力商品「ハオハオ(Hao Hao)」は、2000年に発売され、覚えやすい商品名や、ベトナム人の嗜好に合わせた味が人気を呼び、エースコックベトナム社の売上の半数以上を占める大ヒット商品となりました。

また、同社によればベトナム国内ではほぼ100%の認知率を誇り、なんと国内の即席めんのうち、3食に1食はHaoHaoという、堂々の人気No.1商品となりました。

2016年には時代の変化に合わせ、カップめん「ハンディハオハオ(Handy Hao Hao)」が発売され、設立25周年となる2018年には、ホーチミン市に地上6階地下1階の新本社ビルを建設。エースコックベトナム社は国内にとどまらず、今や世界およそ40ヵ国への輸出も行っています。

人口の多さ(約9,762万人)や麺文化が根付いていることに加え、新型コロナウイルスの影響もあり、保存食のまとめ買い需要は今後も高まると予想され、インスタントラーメン市場の開発余地はまだまだ大きいと思われます。