食品安全管理マネジメント
  • グローバルで取り組む「食の安全」

日本では、「食の安心・安全」というテーマで、多くの食品メーカーが安全性を確保した製品作りに取組んでいます。過去に起こったBSE(牛海綿状脳症)や食中毒事件などの健康被害から、このテーマについて真摯に対応してきています。

食の安全は、日本だけに限らず世界中で重要視されている課題であり、食の安全を脅かすリスクを事前にとりのぞく「安全管理マネジメント」が国際的な共通認識となっています。

ベトナムでも食の安全への関心は年々高くなっており、数年前から国営テレビで食の安全に関するテレビ番組を開始したり、Hang Viet Nam Chat Luong Caoと呼ばれるベトナム高品質品マークの普及に努めたりしています。そのため、安全性が高いとされる日本食品は注目を浴びており、ベトナム市場からポジティブな目で迎えられています。

  • 安全管理マネジメントの規格の種類

安全管理マネジメントの規格というと、日本では昨年6月から義務化されたHACCPや、以前から一般的に普及していたISO22000などがよく知られています。

これらの規格は、国際的な食の安全管理という大きな枠組みの一部であり、今後食品輸出が更に活発化することを見据えて、より包括的な国際規格が設定されています。

– 国際食品安全イニシアチブ(GFSI)から始まる安全管理

GFSIは、世界的に展開する食品企業が集まり、食品安全の向上と消費者の信頼強化のため、協働して食品安全管理の承認等を行う民間団体です。

HACCPもISO22000も、このGFSIが管理する規格の中での指標として扱われています。

– GFSIに承認されている世界の認証プログラム

GFSIが直接的に規格を管理しているわけではありません。GFSIに承認されている食品認証プログラムが規格の普及と取得を管理しています。現在世界にはヨーロッパを中心に12の認証プログラムがあります。

こういった認証プログラムから各国、各エリアで普及される食品安全管理の規格取得が進められており、世界162ヶ国中、15万件以上に認証発行をおこなっています。

グローバル企業の中には、取引先にGFSI承認の規格を要求してくる食品関連企業も多く、マクドナルドやダノン、日系企業ですとイオンなど、約40社で採用されています。

  • 日本発の食品安全管理規格JFS(Japan Food Safety Standards)

日本では、2016年に設立された食品安全マネジメント協会JFSMにより、「日本発の食品安全管理規格JFS」が確立されました。もちろん、GFSIに承認を受けている規格です。日本の食品安全管理を統一化させることを目的としており、大きく3つの目標を掲げています。

・HACCP対応を支援し輸出拡大に寄与します

・食品安全管理コストの最適化に貢献します

・国際的なルール策定に参画できる人材を開発します

2020年12月の段階で、1,200団体以上がJFS規格を取得しています。日本発の規格のため、日本の文化的背景に考慮されており馴染みやすく内容が分かりやすくなっています。また、ISO22000やFSSC22000に比べると要求される項目が少ないため、中小企業の方も認証を受けやすい基準となっています。

  • まとめ

これまで、世界中の食品メーカーさまが取り組んできた安全管理マネジメントの集大成が、国際食品安全イニシアチブ(GFSI)なのだと思います。自社製品の価値をより高くし、ベトナムから始まり、アジア、そして世界へ自社製品を提供できることが理想かと思います。